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お題「父の日」

 

今日という日ほどどうでも良い日は無い、と思っている。

父の日? 復讐でもするのか。

 

思い返せば、怖かった記憶、憎らしい記憶、殺されるのではと思った記憶、逆に殺してやろうと思った記憶が、好きであるという気持ちをとうに上回っている。

 

感謝も多少はしている。

尊敬はある。よくまあ何十年と大して興味も無い対象物も含めた「家族」という厄介なものに対して金銭を落とす為に、毎朝同じ時間に家を出、同じ時間の電車に乗り、同じ場所に通ったものだ。

 

彼の人間性からして、人間関係はかなり大変であったのではないかと思う。

そこを超える鈍さがあったからここまでやってこれたのだ。

 

尊敬する、ある意味。

 

 

誕生日だから、父の日だからといって何かをする気にはならない。

そもそもわざわざ記念日をつくらなくとも、贈りたい人にはそれなりの物を考え、包んで渡す。

 

 

全く何もする気にならない。

父さんいつもありがとうだなんて嘘でも言えない。

 

ふと何かの拍子に、自分が幼い頃、父と交換日記をしていた事を思い出した。

何を書いたら良いのかわからない。書くことが見つけられない。でも、返事が欲しかった。無理矢理書き出した。

返ってくるのはいつも当たり障りのないような言葉だった。自分の為に書かれたものではないと、何となく思った。

 

ただ、そこにオマケのように存在していた父の絵は、自分だけのもののような気がした。

 

何故こんな日に限ってこんな事を思い出すのか。自分は父が描く絵が好きだった。何となく。

 

 

あの人はもう何年絵を描いていないのだろう。

自分が何を好きなのかもよくわかっていない人に対して、物を贈るというのは大変むつかしい。

ましてや気持ちなんて死んでも贈れない。贈りたくない。

 

 

線が入っていないノートでも贈るか。

スケッチブックでも何か。

説明しなくともあの人が「これは絵を描くためのものだ」と認識しそうな何か。

 

家にあるだろうか。

 

それに絵でも描いて、いい加減、少しは発散する術を覚えて欲しいものだ。